※大学生設定、越野くん一人暮らし
「これ、宏明が着るにしても大きくない?」
声がした方向を見ると、だぼだぼのTシャツをワンピースのようにして身に纏うナマエの姿があった。風呂上がりの火照った体と、惜しみなく披露された太ももが良い……じゃなくて!
「それ、仙道の!」
「仙道くん?」
「この前あいつが来たときに忘れていったやつ!」
ナマエが風呂に入る前、「服借りるね」と言ったのは聞いていたのに。手に持ったものを確認しないまま、適当に「おう」と返事をしたことを後悔した。
彼女が他の男の服を着ているなんて面白くない。全く面白くない。すげームカつく。
ナマエの素肌に触れている仙道のTシャツに苛立ちながら、裾を掴んで勢いよく捲り上げる。
「ちょ、何すんの! えっち!」
「うるせー! さっさと脱げ!」
抵抗するナマエから、ボディソープかシャンプーかどっちかわからねーけど、甘い香りが漂う。「これ、お気に入りなの」と、ナマエが勝手に風呂場に置いていったパステルカラーのボトルを思い出した。
くそ、このまま仙道に返してたまるか。
「なんで無理矢理脱がそうとすんのよ!」
「ナマエの匂いがついちまっただろ! オレが着る!」
「へ、変態!」
「そうじゃねー!」